徳田秋声 『足迹』 「それじゃまるで話が違うがな。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 徳田秋声 『足迹』

現代語化

「それじゃ全然話が違うじゃん。」
「お前が客の前に出るのが嫌だって言うから、そんなことするだろうかい。」
「まあそうなんでしょうけど。ばあさんはまた私がそうしないと機嫌が悪くなるんです。あの人の中では、芳太郎のことも可愛くないわけじゃないと思うんですけど、どうしたって血を分けた子じゃないから、いろいろおじいさんに言われると、その気になってるんでしょうね。やっぱり欲なんでしょうね。」
「その調子じゃ、息子さんが従順におじいさんの言うことを聞いてても、いつ財産を渡すかわかんないってことじゃん。」
「それでいて、私にはいろいろと甘いことを言うんです。」
「お前みたいな娘が一人いれば、こんなケチ臭い料理屋なんかやってないって、そんなこと言うんですよ。」
「ああいう人は、女さえ見りゃすぐに金儲けのことばっか考えるんで。」

原文 (会話文抽出)

「それじゃまるで話が違うがな。」
「お前が客の前へ出るが悪いといって、そんなことをするだかい。」
「まあそうなんでしょうね。婆さんはまた私がそうしないと機嫌が悪いんですの。あの人の腹では、芳太郎が可愛くないことはないんでしょうけれど、どうしたって血を分けた子じゃないんですから、いろいろお爺さんに言われると、その気になるんでしょうよ。やっぱり欲なんですね。」
「その塩梅じゃ、子息が柔順しくしていたって、いつ身上を渡すか解らないと言ったようなものせえ。」
「それでいて、私にはいろいろうまいことを言って聴かすんですの。」
「お前のような娘が一人あれば、こんな吝ったれな料理屋なんかしていやしないなんて、そんなことを言うんですよ。」
「ああいう人は、女さえ見れアじき金にしようと、そんなことばかり思っているで。」


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