GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 徳田秋声 『足迹』
現代語化
「引っ張り込もうがなんだがあたしの勝手だろうが。そのために断ったんじゃねえの?」
「まだ磯野本人に断られてねえよ。おめえだって芳村ってやつがいるだろうが。図々しいことすんなら磯野に言いつけるからな。」
「へぇーいいよ。芳村が帰ってきたって、あたし逃げも隠れもしないよ。勝手に心配すんな。そこんとこよろしく、あたしそんな腰抜けじゃないから。」
原文 (会話文抽出)
「いいじゃありませんか。私は磯野さんに用事があって来たんですから。あなたこそ誰に断わって磯野さんなどをこんなところへ引っ張り込んでいるんです。」
「引っ張り込もうとどうしようと私の勝手ですよ。そのために、あなたにもお断わりしたんじゃありませんか。」
「いいえ、私はまだ磯野の口から、一言も断わりを言われたことはありません。あなただって、芳村さんという人があるじゃありませんか、あんまりずうずうしいことをなさると私がいいつけてやるからいい。」
「ええいいんですとも。芳村が帰って来たって、私逃げも隠れもするじゃありません。よけいな心配などして頂かなくとも、私が綺麗に話をつけて別れますよ。憚りながら、そんな意気地のないお増じゃありませんよ。」