GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『黄英』
現代語化
「私はお金に貪欲なわけじゃないんですけど、ちょっとだけ豊かにならないと、後世の人に『あの陶淵明は貧乏性だったから、世に出ることができなかった』って言われるんです。それで家を豊かにすることにしたんです。でも、貧乏人が金持ちになるのは難しいけど、金持ちが貧乏になるのは簡単なんです。私の金は、勝手に使ってください。惜しくないから」
「他人の金を使うのも、やっぱり良くないことなんだ」
「あなたはお金持ちが嫌いで、私は貧乏になれないんだから、しょうがない。あなたと家を分ければ、清い者は清く、汚れた者は汚れてても問題ないんじゃないですか?」
原文 (会話文抽出)
「俺の三十年の清徳も、おまえのために累わされてしまったのだ、この世の中に生きていて、徒らに女に養われるということは、ほんとうに、すこしも男らしくないことだ、人は皆富をいのるけれども、俺はただ貧をいのるのだ」
「私は金を貪るつもりはないのですが、ただすこし豊かにならないと、後世の人に、あの淵明は貧乏性だ、いつまでも世に出ることができなかったじゃないかと言われるのですから、それで我家を豊かにしていいわけにしたのです、だけど、貧乏人が金持になろうとするのはむつかしくっても、金持が貧乏になろうとするのは、わけのないことなのです、私の金は、あなたが勝手に遣ってしまってください、私は惜しくはありませんから」
「他人の金を遣うのも、やはりよくないことなのだ」
「あなたは金持が厭だし、私は貧乏ができないし、しかたがなければ、あなたと家を別けて、清い者は清く、濁った者は濁ってることにしたら、さしつかえがないじゃありませんか」