田中貢太郎 『陳宝祠』 「私はあの男を後継者にしようと思っていたが…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『陳宝祠』

現代語化

「あの野郎を後継ぎにしようと思ってたんだけど、もう無理だな。あんなにブチギレちゃ、あいつの命がヤバいし。残念だけど、はやく逃がしたほうがいいぜ。グダってるヒマねーよ」

「お前、ここにいたらヤバいよ。もうどう考えても取り返しつかないんだから、はやく逃げたほうがいいぞ」

「あいつとケンカしたくらいで、俺を見捨てるってひでぇよな。封って奴、マジクズ野郎だよ。あいつの部屋で裸見せびらかしてきて、俺が注意したら逆ギレしやがって、こうなったんだ。悪いのは全部封。あいつが反省しなかったら、俺がひとりで相手になるから。みんなには迷惑かけないよ。俺に任せといて」

「いや、お前の気持ちはわかるけど、あいつがキレたら、この山の住人が全員でかかっても歯が立たないんだ。お前には岩を飛び越えたりできないだろ? 封の相手なんてできるわけがない。もうどうせこうなるんだから、はやく帰れ。帰って家族を安心させろよ。これも運命だ」

「グダグダしてたらヤバイぞ。お前のこと、ふたりで送っていくから」

原文 (会話文抽出)

「私はあの男を後継者にしようと思っていたが、もうしかたがない、それにあれをあんなに怒らしたなら、あの男の生命がない、残念だが早く逃がすがいい、ぐずぐずしていちゃ大変だ」
「君は、此処にいちゃ大変だ、もう何と思っても取りかえしがつかない、早く此処を逃げるが宜いだろう」
「あんな者と喧嘩した位で、私を去ろうとなさるのは、ひどいじゃありませんか、封は実に怪しからん奴ですよ、あれの室で裸になるものですから、私が戒めると私を侮辱するものですから、こんなことになったのです、罪はあの封にあります、もし封が自分の罪をさとらないで、まだ何かするようであったら、私が一人で相手になります、決して皆さんに御迷惑はかけません、どうか私に任しておいてください」
「いや、それは、君がいいことは判っている、判っているが、あの男が一度怒ったなら、この山の者が束になって往っても、どうすることもできない、山を走り巌を飛ぶことは君にはできない、君は封の相手にはならない、もうしかたがない、早く帰るが宜い、帰って家の者を安心さすが宜い、これも天の命ずるところじゃ」
「ぐずぐずしてちゃ大変だ、お前達二人でお送りするが宜い」


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