GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『緑衣人伝』
現代語化
「でも、あなたこないだあんなこと言いましたよね。私はあなたと一生一緒にいたいと思ってるのに、あなたは私を妾みたいに思ってるんじゃないですか?」
「いえ、あれは、あなたが緑の服着てるから、緑から連想して冗談で言っただけで、そんな気持ちじゃありませんでした」
「そうならいいけど、私はあなた恨みましたよ。でも、おかげで私のことを分かってくれたでしょう?」
「いや、私は分かりません」
「もういい頃なので、全部話しますが、私とあなたは、元から知り合いなんですよ。初めて会ったんじゃないんです」
「そんなことあるかなあ。私は分かりませんけど」
「びっくりしないで聞いてください。私は実は、この世の人間じゃないんです」
「でも、悪いことをする人じゃないですよ。あなたと私は、前世からの縁があるんです」
「教えてくださいよ」
原文 (会話文抽出)
「何故あなたはこなかったのです、どんなにあなたを待ったか知れませんよ」
「でも、あなたは、この間あんなことをおっしゃったじゃありませんか、私はあなたと偕老を思ってるのに、あなたは、私を、妾のように思っていらっしゃるじゃありませんか」
「いや、あれは、あなたが緑の衣を着ているから、その緑から連想して、あんな冗談を言ったばかしで、決してそんな心で言ったではなかったのです」
「そういうことならよろしゅうございますけども、私はあなたをお恨みしましたよ、しかし、それで、あなたも、私の素性をお知りになったでしょう」
「いや、私には判らない」
「もう時期がきましたから、何もかも申しますが、私とあなたとは、もと識りあっておりました、はじめて識りあったのではありません」
「そんなことがあるだろうか、私には判らないが」
「どうか驚かないで聞いてください、私はほんとうは、この世の者ではありません」
「でも、決して禍をする者ではありません、あなたと私とは、夙縁があります」
「それを聞かしてください」