田中貢太郎 『牡丹燈記』 「旦那様は、ほんとうに薄情でございますのね…

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青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『牡丹燈記』

現代語化

「旦那様ったら本当に薄情よ」
「そんなに言わないでよ」
「ほら、入ってください。ここよ」
「あなたは妖術師に騙されて、私を疑ってるけど、それはひどいじゃない。本当、あなたは薄情よ」
「本当にあなたは薄情よ。でも、こうしてお会いできたんだから、何が何でも帰しませんから」
「さあ、こっち来てください」

原文 (会話文抽出)

「旦那様は、ほんとうに薄情でございますのね」
「そんなになさるものじゃございませんわ」
「さあ、お入りくださいまし、ここでございます」
「あなたは、妖道士に騙されて、私をお疑いになっておりますが、それはあんまりじゃありませんか、ほんとうにあなたは、薄情じゃありませんか」
「ほんとにあなたは、薄情でございます、ね、でもこうしてお眼にかかったからには、どんなことがあっても、お帰ししませんから」
「さあ、この中へお入りくださいまし」

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