GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『牡丹燈記』
現代語化
「おー、帰ったのか。どうだった?分かったか?」
「いや、とんでもないことだったよ。あんたが言った通りだ」
「だろうさ。で、どんなことだったの?」
「どんなことって、湖西に行って聞いてみたけど分かんねぇから帰ろうと思って、あそこの湖心寺の前まで来たんだけど、疲れちゃったから一服しよと思って寺の中に入ったら、西の廊下の突き当たりに暗いやつがあるんだよ。なんだろうと思って覗いてみたら、棺桶があって、それに『故奉化符州判の娘レイケイの柩』って書いてあったんだ。レイケイってのはあいつの名前だよ!」
「じゃ、そいつが悪霊だったんだ。だから言ったんだよ。お前があいつとくっついてるの、この目できちんと見ちまったんだもん」
「マジやべぇ。どうすりゃいいんだろう。それにあいつが連れてきてた女中も藁人形だったし、牡丹の飾りもやっぱりあったんだよ。どうすりゃいいんだろう」
原文 (会話文抽出)
「金蓮」
「ああ帰ったか、どうだね、判ったかね」
「いや、大変なことがあった、お前さんの言った通りだ」
「そうだろうとも、ぜんたいどんなことがあったね」
「どんなことって、湖西に行って尋ねたが、判らないので、帰ろうと思って、あの湖心寺の前まで来たが、くたびれたので、一ぷくしようと思って、寺の中へ行ってみると、西の廊下の行き詰めに、暗い室があるじゃないか、何をする室だろうと思って、覗いてみると、棺桶があって、それに故奉化符州判の女麗卿の柩と書いてあったのだ、麗卿とはあの女の名前だよ」
「じゃ、その女の邪鬼だ、だから言わないことか、お前さんが骸骨と抱き合っているところを、ちゃんとこの眼で見たのだもの」
「えらいことになった、どうしたらいいだろう、それにあの女の連れてくる婢も、藁人形だ、牡丹の飾の燈籠もやっぱりあったのだ、どうしたらいいだろう」