田中貢太郎 『牡丹燈記』 「燈籠を見にいらしたのですか」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『牡丹燈記』

現代語化

「ランタン見に来たの?」
「うん。こいつ連れて来たんだけど、知り合いいないし全然楽しくないから帰ろうとしてた」
「俺は夜からブラブラしてるんだけど、なんかランタン見る気にならねぇんだよ。どうだい?俺ん家誰もいないから気兼ねなく入れるけど、ちょっと休んでいかないか」
「そう、じゃ、悪いけどちょっと休ませてもらうよ。クタクタだからね」
「キンレン、ちょっとここで休むから、お前も来いよ」
「すぐそこの家だよ」
「ここだよ」
「あんた誰?」
「湖の西に住んでる。もともと奉化の人間で、親父は州の役人だったんだけど、親父も母親も亡くなって家もダメになっちゃって、他に世話してくれる兄弟とか親戚もいないから、こいつと二人で毎日寂しく暮らしてる。姓はフーで、名はシュクホウ、字はレイケイ」
「それは寂しいね。俺も最近、嫁さんが亡くなって一人でいるから、お気持ちわかります」
「奥さん亡くされたんですか?それは大変でござんしょう」
「嫁さんがいねぇ時は平気だったけど、一度いると亡くなると、本当不便でね」
「そうでしょうね」
「向こうに行こうじゃないか」

原文 (会話文抽出)

「燈籠を見にいらしたのですか」
「はい、これを連れて見物に参りましたが、他に知った方はないし、ちっとも面白くないから帰るところでございます」
「私は宵からこうしてぶらぶらしているのですが、なんだか燈籠を見る気がしないのです、どうです、私の家は他に家内がいませんから、遠慮する者がありません、すこし休んでいらしては」
「そう、では、失礼ですが、ちょっと休まして戴きましょうか、くたびれて困ってるところでございますから」
「金蓮、こちらでちょっと休まして戴きますから、お前もおいで」
「すぐ、その家ですよ」
「ここですよ」
「あなたのお住居は、何方ですか」
「私は湖西に住んでいる者でございます、もとは奉化の者で、父は州判でございましたが、その父も、母も亡くなって、家が零落しましたが、他に世話になる、兄弟も親類もないものですから、これと二人で、毎日淋しい日を送っています、私の姓は符で、名は淑芳、字は麗卿でございます」
「それはお淋しいでしょう、私も、この頃、家内を亡くして、一人ぼっちになっているのですが、同情しますよ」
「奥様を、お亡しなさいました、それは御不自由でございましょう」
「家内を持たない時には、そうでもなかったのですが、一度持っていて亡くすると、何だか不自由でしてね」
「そうでございましょうとも」
「彼方へ行こうじゃありませんか」


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