田中貢太郎 『雷峯塔物語』 「お前も今度は、豪い目に逢った、私はお前が…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『雷峯塔物語』

現代語化

「お前も今回は大変な目に遭ったな。俺は、お前が蘇州に行くときも、蘇州から鎮江に行くときも、できるだけのことはしたけど、それでも苦しかったんだろうな。それもこれも、お前が一人きりでフラフラしてるからだ。早く結婚して身を固めろよ。そうすれば、怪しいやつも近寄ってこない」
「私はもう懲りました。結婚はしません」
「あなたは、結婚してるくせに、そんな嘘をついちゃいけませんよ。私はあなたの奥さんじゃないんですか?」
「お姉さん、それは化け物です。化け物の言うことなんて聞いちゃいけません」
「あなたは、私と夫婦なのに、人の言うことを聞いて私を捨てるなんて、ひどすぎませんか?でも、私はあなたの奥さんですから、どこにも行きません」
「あれは白蛇の化身です。どうすればいいんでしょう?」
「ホンモノの蛇なら、心当たりがある。白馬廟の前に、蛇捕りの戴という先生がいる。あの人に頼みましょう」
「お二人とも、何か御用でしょうか?」
「私の家に大きな白蛇が来て、災いをしようとしています。どうか捕まえてください」
「とりあえずこれをお預かりします。もし捕まえてくださったら、あとでまた別にお礼をいたします」
「では、すぐ支度をしてまいります。お二人は先にお帰りください」
「白蛇はどこにいますか?」

原文 (会話文抽出)

「お前も今度は、豪い目に逢った、私はお前が蘇州へ往く時も、蘇州から鎮江へ往く時も、できるだけのことをしてやったが、それでも苦しかったのだろう、それというのも、お前が一人でぶらぶらしてるからだ、はやく妻室をもらって身を固めるがいい、そうなれば怪しい者だって寄りつかない」
「私は、もう懲りましたから、妻室はもらいません」
「あなたは、妻室があるくせに、そんな嘘をいうものじゃありません、私はあなたの妻室じゃありませんか」
「姐さん、そいつは妖精です、そいつのいうことを聞いてはいけないです」
「あなたは、私と夫婦でありながら、人の言うことを聞いて私を嫌うとは、ひどいじゃありませんか、でも、私はあなたの妻室ですから、他へはまいりません」
「あれが白蛇の精です。どうしたらいいのでしょう」
「ほんとうに蛇なら、いい人がいる、白馬廟の前に、蛇捉の戴という先生がいる、この人に頼もうじゃないか」
「お二方とも何か私に御用ですか」
「私の家へおおきな白蛇が来て、災をしようとしております、どうか捉ってください」
「今これだけさしあげておきます、もし捉ってくだすったら、後でまたべつにお礼をいたします」
「では、すぐ後から準備をしてあがります。お二方は一足お前へ」
「どこに白蛇がおります」


青空文庫現代語化 Home リスト