田中貢太郎 『雷峯塔物語』 「今晩は、みょうに気もちがわるいから、来た…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『雷峯塔物語』

現代語化

「今晩はなんか気分が悪いので来ました」
「今晩はご機嫌がいいみたいじゃないか」
「いい気分じゃないですよ。あなたはここの旦那さんを立派な人だと言いましたが、どうしてそうじゃないんですか。私が東のトイレに行くと、後からついてきて無理やり抱きしめようとしたんです。本当にイヤな人ですよ」
「でも、別にどうってことなかったんじゃない?まあいいじゃないか。早く帰って寝なさい」
「でも、私はあの旦那が怖いんです。これから先、まだ何されるかわかりません。それよりか、私は20〜30両持っていますから、ここを出て、港のあたりで小さな薬屋を開こうじゃありませんか」
「そうだな。小さな店が持てるなら、そりゃその方がいいが」
「じゃあ持ちましょう」
「そうだね。持ってもいいな。じゃあ、休ませてくれるかくれないか、明日旦那にお願いしてみよう」

原文 (会話文抽出)

「今晩は、みょうに気もちがわるいから、来たのですよ」
「今晩は御馳走になっていい気もちじゃないか」
「いい気もちじゃありませんよ、あなたは、ここの旦那を老実な方だと言いましたが、どうしてそうじゃありませんよ、私が東厠へ往ってると、後からつけてきて手籠めにしようとしたのです、ほんとに厭な方ですよ」
「しかし、べつにどうせられたというでもなかろう、まあいいじゃないか、早く帰ってお休みよ」
「でも、私はあの旦那が恐いわ、これからさき、まだどんなことをせられるか判らないのですもの、それよりか、私が二三十両持ってますから、ここを出て、碼頭のあたりで、小さな薬舗を開こうじゃありませんか」
「そうだな、小さな舗が持てるなら、そりゃその方がいいが」
「では持とうじゃありませんか」
「そうだね、持ってもいいな、じゃ、暇をくれるかくれないか、明日旦那に願ってみよう」


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