GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『雷峯塔物語』
現代語化
「助けてください」
「これあげるから、誰にも言わずに、一枚は髪に挟んで、一枚は今夜三時に燃やしてくれ」
「また私を疑って、お札を燃やそうとしてるんですね。こうやってずっと一緒にいるのに、どこが怪しいんですか?ひどいです」
「いや、そんなわけない。そんなことあるわけない」
「どうです?これで私が怪しいですか?」
「臥仏寺の前の道士がそう言ってたんだ。あいつ俺をからかったのかな」
「本当に道士がそんなこと言ったなら、明日二人で会いに行きましょう。怪しいかどうかわかれば早いじゃないですか」
原文 (会話文抽出)
「あなたの頭の上には、一すじの邪気が立っている。あなたの体には、怪しい物が纏うている、用心しなくては命があぶない」
「どうか私を助けてください」
「これをあげるから、何人にも知らさずに、一枚は髪の中へ挟み、一枚は今晩三更に焼くがいい」
「あなたは、また私を疑って、符を焼こうとしていらっしゃるのですね、こうして、もう長い間、いっしょにいるのに、どこが怪しいのです、あんまりじゃありませんか」
「いや、そんなことはない、そんなことがあるものか」
「どう、これでも私が怪しいのですの」
「臥仏寺前の道人がそう言ったものだから、彼奴俺をからかったな」
「ほんとに道人がそんなことを言ったなら、明日二人で往ってみようじゃありませんか、怪しいか怪しくないか、すぐ判るじゃありませんか」