GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 田中貢太郎 『賈后と小吏』
現代語化
「泥棒の下っ端です」
「名前は？」
「――です」
「いくつ？」
「――歳です」
「親は？」
「――です」
「毎日何してる？面白いことある？」
「貧乏で食うのに困ってるから、面白いことなんてないよ」
「なんで食うのに困ってんの？食えるもんいくらでもあるじゃん」
「だって貧乏なんだもん」
「じゃあ俺が困らないようにしてやるよ。お前には家族いる？」
「家族もいません。貧乏だから持てないんです」
「それはかわいそうだな」
「はい」
「これからはもう何も困らないよ。俺が幸せにしてやる」
「ありがとうございます」
「そんなに堅くならないでよ。俺とお前は縁があるんだよ」
原文 (会話文抽出)
「お前は人間界で何をしてる」
「私は盗尉部の下吏でございます」
「名は何という」
「――といいます」
「年は幾歳」
「――でございます」
「両親があるか」
「――――」
「毎日、どんなことをしてる、面白いことがあるか」
「貧乏で、食物のことに困っておりますから、面白いことはございません」
「食物に何故困る、何でも食べる物があるではないか」
「それが貧乏人でございますから」
「それでは、私が困らないようにしてあげよう、お前には家内があるか」
「家内もございません、貧乏でございますから、持つことが能ません」
「それは可哀そうである」
「は」
「これから、もう何も困ることはない、私が幸せにしてあげる」
「有難うございます」
「そんなに、頑くるしくしないが良い、お前とは天縁がある」