GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『俊寛』
現代語化
「泣かないで、泣かないで。今日会えただけでもご利益があったと思おうよ」
「はい、もう泣きません。住職さん、あのーこの近くにお住まいなんですか?」
「住まい? 山の向こうだよ」
「檜の皮葺きじゃないでしょ?」
「もちろん、わかってるよ。こんな離島だしさ。でも、居心地は悪くないよ。ちゃんと寝る場所も用意してあるから、一緒に見に行かない?」
原文 (会話文抽出)
「よく来たな。有王! おれはもう今生では、お前にも会えぬと思っていた。」
「泣くな。泣くな。せめては今日会っただけでも、仏菩薩の御慈悲と思うが好い。」
「はい、もう泣きは致しません。御房は、――御房の御住居は、この界隈でございますか?」
「住居か? 住居はあの山の陰じゃ。」
「住居と云っても、檜肌葺きではないぞ。」
「はい、それは承知して居ります。何しろこんな離れ島でございますから、――」
「しかし居心は悪くない住居じゃ。寝所もお前には不自由はさせぬ。では一しょに来て見るが好い。」