GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 太宰治 『正義と微笑』
現代語化
「僕も今日は、一生懸命だったんだぜ。とうとう津田さんも紹介状書いてくれたんだから、大成功だ。津田さんはあの調子でなかなか曲者だから、ちょっと気に入らないことがあるとダメなんだ。いきなり、ダメだって。油断ならないんだ。今日は、よかった。不思議になめらかにいったね。進の態度がよかったのかな? 津田さんは、あんな冗談ばっかり言ってるけど、すごく鋭く人を見てるよ。後ろにも目があるみたいだ。進は何とか及第したみたいだね」
「安心するのは、まだ早いよ」
「これから斎藤さんという難関もある。かなりの頑固者らしいじゃないか。津田さんも、ちょっと首をかしげてたね? まあ、誠心誠意ぶつかってみるさ。紹介状、持ってるだろう? ちょっと見せて」
「見てもいいの?」
「いいよ。紹介状っていうのはね、持ってきた人が見てもいいように、わざと封をしてないものなんだ。ほら、そうだろう? 一応こっちでも目を通しておいたほうがいいよ。読んでみよう。いや、これはひどいな。簡単すぎるよ。こんなんで大丈夫かなあ」
原文 (会話文抽出)
「でもまあ、よかった。」
「僕もきょうは、一生懸命だったんだぜ。とうとう津田さんも、紹介状を書いてくれたんだから、大成功だ。津田さんは、あれでなかなか、つむじ曲りのところがあってね、ちょっと気持にひっかかるものが出来ると、もうだめなんだ。こんりんざい、だめだね。ちっとも油断が出来ないんだ。きょうは、よかった。不思議にすらすら行ったね。進の態度がよかったのかな? 津田さんは、あんな冗談ばかり言ってるけど、ずいぶん鋭く人を観察しているからね。うしろにも目がついているみたいだ。進はまあ、どうやら及第したんだね。」
「安心するのは、まだ早いぞ。」
「これから斎藤氏という難関もある。なかなかの頑固者らしいじゃないか。津田さんも、ちょっと首をかしげていたね? まあ、誠実をもってあたってみるさ。紹介状、持ってるだろう? ちょっと見せてくれ。」
「見てもいいの?」
「かまわない。紹介状というものはね、持参の当人が見てもかまわないように、わざと封をしていないものなんだ。ほら、そうだろう? 一応こっちでも眼をとおして置いたほうがいいんだよ。読んでみよう。いや、これぁ、ひどいなあ。簡単すぎるよ。こんな程度で大丈夫なのかなあ。」