太宰治 『正義と微笑』 「もう、これでおわかれなんだ。はかないもの…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 太宰治 『正義と微笑』

現代語化

「もう、これで終わりなんだ。はかないよなー。ぶっちゃけ、先生と生徒の関係なんて、テキトーなものだ。先生が辞めちゃえば、ただの他人になるんだ。お前ら悪くないよ。先生がダメなんだ。マジ、先生ってバカばっかじゃん。男か女か分かんねえ奴ばっか。こんな事言うのヤバイけど、もう我慢できんかったんだ。職員室の雰囲気が。無知すぎ!エゴすぎ!生徒のこと愛してない。俺はもう、2年も職員室で頑張ったけど、ムリだわ。クビになる前に、こっちから辞めた。今日で最後なんだ。もう会えなくなるかもだけど、お互い、これからめっちゃ勉強しようぜ。勉強っていいもんだぜ。数学とか物理とか、学校卒業したら役に立たないと思ってる奴もいるみたいだけど、大間違い。なんでも、勉強しとけ!日常に直接関係ないような勉強こそ、将来の人格を完成させてくれるんだ。自分の知識をひけらかす必要はねえ。勉強して、すぐ忘れちゃってもいいんだ。覚えることが大事じゃねえ。大事なのは、心が磨かれることなんだ。文化ってのは、知識を詰め込むことじゃなくて、心を広げることなんだ。愛することを知るってことだ。学生時代に勉強しなかった奴は、社会に出てからも絶対エゴイストだ。勉強なんて、覚えたら忘れるもんだ。でも、全部忘れちゃっても、勉強の訓練の根っこに残る砂金みたいなもんがあるんだ。これが大事なんだ。だから、勉強しなきゃダメだ。でも、無理に生活に役立てようとするな。ゆっくり、本当に心が磨かれた人間になれ!それだけ言いたかった。お前らとはもう一緒に勉強できねえけど、名前は一生忘れないよ。お前らも、たまには俺のこと思い出してくれよな。あっさりお別れだけど、男同士だ。スッキリ行こうぜ。最後に、お前らの健康を祈っとくぜ」
「サンキュー!」
「次のテスト、心配すんなよ」
「先生、バイバイ!」
「先生、バイバーイ!」

原文 (会話文抽出)

「もう、これでおわかれなんだ。はかないものさ。実際、教師と生徒の仲なんて、いい加減なものだ。教師が退職してしまえば、それっきり他人になるんだ。君達が悪いんじゃない、教師が悪いんだ。じっせえ、教師なんて馬鹿野郎ばっかりさ。男だか女だか、わからねえ野郎ばっかりだ。こんな事を君たちに向って言っちゃ悪いけど、俺はもう、我慢が出来なくなったんだ。教員室の空気が、さ。無学だ! エゴだ。生徒を愛していないんだ。俺は、もう、二年間も教員室で頑張って来たんだ。もういけねえ。クビになる前に、俺のほうから、よした。きょう、この時間だけで、おしまいなんだ。もう君たちとは逢えねえかも知れないけど、お互いに、これから、うんと勉強しよう。勉強というものは、いいものだ。代数や幾何の勉強が、学校を卒業してしまえば、もう何の役にも立たないものだと思っている人もあるようだが、大間違いだ。植物でも、動物でも、物理でも化学でも、時間のゆるす限り勉強して置かなければならん。日常の生活に直接役に立たないような勉強こそ、将来、君たちの人格を完成させるのだ。何も自分の知識を誇る必要はない。勉強して、それから、けろりと忘れてもいいんだ。覚えるということが大事なのではなくて、大事なのは、カルチベートされるということなんだ。カルチュアというのは、公式や単語をたくさん暗記している事でなくて、心を広く持つという事なんだ。つまり、愛するという事を知る事だ。学生時代に不勉強だった人は、社会に出てからも、かならずむごいエゴイストだ。学問なんて、覚えると同時に忘れてしまってもいいものなんだ。けれども、全部忘れてしまっても、その勉強の訓練の底に一つかみの砂金が残っているものだ。これだ。これが貴いのだ。勉強しなければいかん。そうして、その学問を、生活に無理に直接に役立てようとあせってはいかん。ゆったりと、真にカルチベートされた人間になれ! これだけだ、俺の言いたいのは。君たちとは、もうこの教室で一緒に勉強は出来ないね。けれども、君たちの名前は一生わすれないで覚えているぞ。君たちも、たまには俺の事を思い出してくれよ。あっけないお別れだけど、男と男だ。あっさり行こう。最後に、君たちの御健康を祈ります。」
「礼!」
「今度の試験のことは心配しないで。」
「先生、さよなら!」
「先生、さよなら!」


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