太宰治 『走れメロス』 「王様は、人を殺します。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 太宰治 『走れメロス』

現代語化

「王様は人殺しなわけ。」
「なんで殺すの?」
「悪だくみしてるって言うんだけど、誰もそんなことしてないよ。」
「何人殺したの?」
「はい、最初は王様の妹婿。それから王様の息子。それから妹。それから妹の子。それから王妃。それから賢臣のアレクシスさん。」
「えーすごい。王様って気が狂ってるの?」
「いや、気が狂ってるわけじゃないんです。人を信じられないらしいんです。最近じゃ家臣のことも疑っていて、ちょっと贅沢な暮らししてるやつには人質一人ずつ出せって命令してるんです。命令聞かなかったら十字架にかけられて殺されるんだって。今日は六人も殺されたよ。」
「ひどい王だな。殺さないと。」

原文 (会話文抽出)

「王様は、人を殺します。」
「なぜ殺すのだ。」
「悪心を抱いている、というのですが、誰もそんな、悪心を持っては居りませぬ。」
「たくさんの人を殺したのか。」
「はい、はじめは王様の妹婿さまを。それから、御自身のお世嗣を。それから、妹さまを。それから、妹さまの御子さまを。それから、皇后さまを。それから、賢臣のアレキス様を。」
「おどろいた。国王は乱心か。」
「いいえ、乱心ではございませぬ。人を、信ずる事が出来ぬ、というのです。このごろは、臣下の心をも、お疑いになり、少しく派手な暮しをしている者には、人質ひとりずつ差し出すことを命じて居ります。御命令を拒めば十字架にかけられて、殺されます。きょうは、六人殺されました。」
「呆れた王だ。生かして置けぬ。」


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