GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『素戔嗚尊』
現代語化
「評判だけ大きいんです」
「それだけでもいいですよ。すべてのことは評判があった初めて、やりがいがあるんだから」
「そうでしょうか。じゃ評判がなかったら、いくら私が怪力でも――」
「ますます怪力じゃなくなります」
「でも人がすくわなくても、砂金は最初から砂金でしょ」
「さあ、砂金だとわかるのは、人がすくってからじゃないんですか」
「すると人が、ただの砂を砂金だと思ってすくったら――」
「やっぱりただの砂でも砂金になるでしょう」
原文 (会話文抽出)
「近頃はあなたの剛力が、大分評判のようじゃありませんか。」
「評判だけ大きいのです。」
「それだけでも結構ですよ。すべての事は評判があって、始めてあり甲斐があるのですから。」
「そうでしょうか。じゃ評判がなかったら、いくら私が剛力でも――」
「さらに剛力ではなくなるのです。」
「しかし人が掬わなくっても、砂金は始から砂金でしょう。」
「さあ、砂金だとわかるのは、人に掬われてからの上じゃありませんか。」
「すると人が、ただの砂を砂金だと思って掬ったら――」
「やはりただの砂でも砂金になるでしょう。」