GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』
現代語化
「つまり、おばあさんたちはなんて言ってるの?」
「まあ、兄さんの意見じゃ、この縁談はちょっと時間がかかりすぎたと言うんですよ。もっとどんどん進めればよかったと言うんですよ。」
「いや、俺が今聞いてるのはそんなことじゃない。つまり、どうすればいいかって聞いてるんだよ。」
「だから、お里さんの言うには、まだ結婚までには時間もあるし、そのうちにお粂の気持ちも変わるだろうから、もうちょっと様子を見るといいと言うんですよ。そうはっきりした考えがお粂の年ごろにあるわけじゃない。お里さんはその意見です。気に入った小袖でも作ってあげてくれれば、それが娘には何よりだって、おばあさんも言ってました。」
原文 (会話文抽出)
「フム、フム。」
「つまり、おばあさんたちはどう言うのかい。」
「まあ、兄さんの意見じゃ、この縁談はすこし時がかかり過ぎたと言うんですよ。もっとずんずん運んでしまうとよかったと言うんですよ。」
「いや、おれは今、そんなことを聞いてるんじゃない。つまり、どうすればいいかッて聞いてるんさ。」
「ですから、お里さんの言うには、まだ御祝言には間もあることだし、そのうちにはお粂の気も変わるだろうから、もうすこし様子を見るがいいと言うんですよ。そうはっきりした考えがお粂の年ごろにあるもんじゃない。お里さんはその意見です。気に入った小袖でも造ってくれてごらん、それが娘には何よりだッて、おばあさんも言っていました。」