島崎藤村 『夜明け前』 「いや、変わるはずですね。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「いや、変わるはずですよ。」
「御本陣の主人が率先して髪を短くする時代ですからね。戸長さんがあの通りの散髪なのに、副戸長が髷じゃ見栄えが悪い。実蔵もそんなことを言い出して、こないだ切りましたよ。その前の晩は、髪結いを呼んだり、髪を結ってもらったり――大騒ぎですよ。これが髷のお別れだって、そんなことを言ってから切りましたよ。そういえば、半蔵さんはまだ長髪ですか?」
「うちでは総髪にして、紫の紐で後ろの方を結ってますよ。」
「半蔵さんといえば思い出した。あの暦に関する建白は朝廷に採用されなかったそうですね。さぞ、半蔵さんも残念がってるでしょう。俺は寿平次さんからその話を聞きましたよ。」

原文 (会話文抽出)

「いや、変わるはずですね。」
「御本陣の主人が先に立って惜しげもなく髪を短くする世の中ですからね。戸長さんがあのとおりの散髪なのに、副戸長が髷ではうつりが悪い。実蔵のやつもそんなことを言い出しましてね、あれもこないだ切りました。その前の晩に、髪結いを呼ぶやら、髪を結わせるやら――大騒ぎ。これが髷のお別れだ、そんなことを言って、それから切りましたよ。そう言えば、半蔵さんはまだ総髪ですかい。」
「ええ、うちじゃ総髪にして、紫の紐でうしろの方を結んでいますよ。」
「半蔵さんで思い出した。そう、そう、あの暦の方の建白は朝廷の御採用にならなかったそうですね。さぞ、半蔵さんも残念がっておいででしょう。わたしは寿平次さんからその話を聞きましたが。」


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