GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』
現代語化
「ですから、お母さんが心配してるんですよ」
「お民、俺は出られそうもないぞ。そのことはお母さんに話してくれてもいい。俺がお供するとしたら、どうしたって福島の山村様の方から許可をもらって行くしかない。中津川の友達とは違うからね。あの幕府びいきのお殿様が俺みたいなやつを許すとは思えない」
「……」
「ほら、景蔵さんや香蔵さんは、ただ岩倉様のお供をするわけじゃないよ。軍の案内役として任命されて行くんだよ。その部下には14、5人もついて案内するという話だけど、それがお前、みんな平田の弟子なんだ。何にしても羨ましい」
原文 (会話文抽出)
「おれもこうしちゃいられないような気がする。」
「ですから、お母さんが心配してるんですよ。」
「お民、おれは出られそうもないぞ。そのことはお母さんに話してくれてもいい。おれがお供をするとしたら、どうしたって福島の山村様の方へ願って出なけりゃならない。中津川の友だちとおれとは違うからね。あの幕府びいきの御家中がおれのようなものを許すと思われない。」
「……」
「ごらんな、景蔵さんや香蔵さんは、ただ岩倉様のお供をするんじゃないよ。軍の嚮導という役目を命ぜられて行くんだよ。その下には十四、五人もついて御案内するという話だが、それがお前、みんな平田の御門人さ。何にしてもうらやましい。」