島崎藤村 『夜明け前』 「そう言えば、半蔵さんのお友だちは二人とも…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「そういえば、半蔵さんの友達は二人ともまだ京都ですか」
「そうです」
「よく留守が続くと思います」
「僕も心配してるんですよ」
「世の中騒がしくなってきたね。こんな時でももうかる人はもうかる」
「九郎兵衛さん、詳しいですよね」
「飛騨の商人が入ってきて、四文銭をたくさん買い占めたって聞きました」
「その話ですか。今は一両で6貫400文するところを、一両で4貫400文で交換するって話が出たみたいで、金兵衛さんのところは四文銭を6把も売ったとか」
「寿平次さん、四文銭を6把って、いくらだと思いますか。27両以上ですよ」
「さっき半蔵さんと話してたんですよ。こんな時でももうかる人はもうかるって」
「違う。こんな時だからこそもうかるんだ」

原文 (会話文抽出)

「そう言えば、半蔵さんのお友だちは二人ともまだ京都ですか。」
「そうですよ。」
「よくあれで留守が続くと思う。」
「さあ、わたしもそれは心配しているんですよ。」
「騒がしい世の中になって来た。こんな時世でももうける人はもうける。」
「九郎兵衛さん、君はくわしい。」
「飛騨の商人がはいり込んで来て、うんと四文銭を買い占めて行ったというじゃありませんか。」
「その話ですか。今の銭相場は一両で六貫四百文するところを、一両について四貫四百文替えに相談がまとまったとか言いましてね、金兵衛さんのところなぞじゃ四文銭を六把も売ったと聞きました。」
「寿平次さん、四文銭を六把で、いくらだと思います。二十七両の余ですよ。」
「いえ、今ね、こんな時世でももうける人はもうけるなんて、半蔵さんと話して来たところでさ。」
「違う。こんな時世だからもうけられるんでさ。」


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