島崎藤村 『夜明け前』 「あの御召馬が焼酎を一升も飲むというにはお…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 島崎藤村 『夜明け前』

現代語化

「あの御召馬が焼酎を一升も飲むって聞いてビックリしたよ」
「御召馬なんて言うと怒られるよ。御召御馬だよ」
「口取りの別当が自分に飲ませろってことなんじゃないか」
「嫌味なことばっかり言うなよ。最近、街道で ろくなことがない。わけのわからないお武家様ばっかりで、本当に困っちゃうよ。すぐ刀に手をかけて威すんだよ」
「あああ、この度はこの度こそ僕もつくづくそう思ったよ。名君が上 にいても、御召馬を預かる役人や別当があんな調子じゃ、下の人が従わないよ。お気の毒だけど、民衆の信用を失うだけじゃないの」
「徳川も終わりが近いですね」

原文 (会話文抽出)

「あの御召馬が焼酎を一升も飲むというにはおれもたまげた。」
「御召馬なぞというと怒られるぞ。御召御馬だぞ。」
「いずれ口取りの別当が自分に飲ませろということずらに。」
「嫌味な話ばかりよなし。この節、街道にろくなことはない。わけのわからないお武家様と来たら、ほんとにしかたあらすか。すぐ刀に手を掛けて、威すで。」
「あゝあゝ、今度という今度はおれもつくづくそう思った。いくら名君が上にあっても、御召馬を預かる役人や別当からしてあのやり方じゃ、下のものが服さないよ。お気の毒と言えばお気の毒だが、人民の信用を失うばかりじゃないか。」
「徳川の代も末になりましたね。」


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