GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『山県有朋の靴』
現代語化
「俺が斬れってのか?」
「違う。新兵衛も行く!俺も行く!一緒に斬ってくれっ」
「お前ひとりじゃ山県狂介が斬れないのか?」
「斬れないってわけじゃないけど、狂介ごとき、き、斬れないってわけじゃないけど……」
「斬れないってわけじゃなければ、お前ひとりで斬りに行けばいいだろ。それとも狂介はひとりで斬れるけど、山県有朋の周りにいる取り巻きを斬るのが難しいってんなら、やめてもいいよ」
「じゃ、お前は、お前は、昔の仲間を見殺しにするつもりか!」
「そんなつもりはないけど、お前が腹を立てても、俺が腹を立てなければ、そういうことになるんじゃねえのか。――行くもよし、やめるもよし。俺はとりあえず明日まで、生きてみようと思ってる」
「……!」
原文 (会話文抽出)
「頼む! こいつを持っていってくれっ」
「おれに斬れというのか」
「いいや、新兵衛も行く! おれも行く! 一緒にいって斬ってくれっ」
「ひとりでは山県狂介が斬れんのか」
「斬れんわけではないが、狂介ごとき、き、斬れんわけではないが……」
「斬れんわけでなければ、おぬしひとりでいって、斬ったらよかろう。それとも狂介はひとりで斬れるが、山県有朋の身のまわりにくっついている煙りが斬り難いというなら、やめることさ」
「では、貴公は、おまえは、むかしの仲間を見殺しにするつもりか!」
「つもりはないが、おぬしは腹が立っても、おれは腹が立たんとなれば、そういうことにもなるじゃろうの。――行くもよし、やめるもよし。おれはまずあしたまで、生きのびてみるつもりじゃ」
「……!」