佐々木味津三 『流行暗殺節』 「よう。美形々々」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『流行暗殺節』

現代語化

「おう、美人だなあ」
「名古屋にしてはなかなか上等だぜ」
「あそこの布団に仰向けになってるのが俺の殿様だ。殿様、病気で暇だから、女を呼んで、お前ら、枕元で馬鹿騒ぎしろって。遠慮はいらねえぞ。さあ飲め、さあ歌え」
「…………」
「どうっすか、先生。視界がよくなったでしょ。飲みますよ」
「うんうん……」
「少しはお元気になりましたか?」
「うんうん……」
「申し訳ねえす。女、酒、口説き、誰にも負けない隊長だけど、そのご体調じゃ、体が言うこと聞かなんだろ。気の毒だなあ、蜂の巣つくったみたいだ、――久しぶりのお酒だから、金丸は酔っちまったぜ。おい女!何か歌え」
「…………」
「歌わねえのか。じゃジャカジャカジャンジャンと何か弾けよ」
「…………」
「おう、いいぞ、芸者。音が出始めたな。――さあさ、浮いた、浮いた、ジャカジャカジャンだ。代わりに飲んで、代わりに騒いで、殿様、芸者を買ったような気になってもらおうってんだ。お前らもそのつもりで、もっとジャカジャカやらなきゃいけねえ! ――そうそう。そこそこ、てけれつてってだ。<div class="jisage_2" style="margin-left: 2em">ここは名古屋のど真ん中。ないものづくしを言えば。隊長、病気で女はいない。金丸、ろれつが回らない。てけれつてっての、てってって」
「どうっすか、隊長!金丸、いい感じに酔っ払ってきました。踊りますよ」

原文 (会話文抽出)

「よう。美形々々」
「名古屋にしてはこれまた相当なもんじゃ」
「あちらのふとんの上に、えんこ遊ばしていらっしゃるのがおらがのお殿様でのう。殿様、病中のつれづれに、妓を呼んで、おまえら、枕元で馬鹿騒ぎせい、との御声がかりじゃ。遠慮はいらんぞ。さあ呑め、さあ唄え」
「…………」
「どうです。先生。景色がよくなりましたな。呑みますぞ」
「うんうん……」
「少しはお気が晴れましたか」
「うんうん……」
「申しわけごわせんな。女、酒、口どき上手、人後におちる隊長じゃごわせんが、その御病体では、身体がききますまいからな。気の毒千万、蜂の巣わんわん、――久方ぶりの酒だから、金丸は酔うたです、こら女! なにか唄え」
「…………」
「唄わんな。ではジャカジャカジャンジャンとなにか弾け」
「…………」
「よう。素的々々、音がきこえ出したぞ。――さあさ、浮いた、浮いた、ジャカジャカジャンじゃ。代りに呑んで、代りに騒いで、殿様、芸者を買うたようなこころもちになろうというんだからのう。おまえらもその気で、もっとジャカジャカやらんといかん! ――そうそう。そこそこ、てけれつてってじゃ。<div class="jisage_2" style="margin-left: 2em">ここは名古屋の真中で。ないものづくしを言うたなら。隊長、病気で女がない。金丸、ろれつが廻らない。てけれつてっての、てってって」
「どうです。隊長! 金丸、いかい酩酊いたしました。踊りますぞ」


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