佐々木味津三 『流行暗殺節』 「どうするんですか。――隊長」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『流行暗殺節』

現代語化

「どうすんすか。――隊長」
「…………」
「東京逃げんだったら逃げる、西に落ちんだったら落ちるって早く決めてくんねえと、俺らビビっちまうっすよ」
「勝手にビビればいいだろ」
「勝手にって仰ったって、隊長が決めんねえ限り、俺らどうにもならねえじゃんすか。生死ともにするって言ったんだからさ。寝てばっかじゃ足の傷治らねえじゃねえっすか」
「どうだか知らねえ。ここも動かねえし……」
「動かねえって仰ったって、3年も5年もここに寝てられっかねえじゃんすよ。逃げられるんなら逃げる、ダメならダメって、はっきりと決めてほしいんすよ。どうすんすか」
「悪かったが、今は決めてねえ。おまえら、勝手に決めろ」

原文 (会話文抽出)

「どうするんですか。――隊長」
「…………」
「東京へ逃げるなら逃げる、西へ落ちるなら落ちるように早くお決め下さらんとわれわれふたり、度胸も据わらんですよ」
「勝手に据えたらよかろう」
「よかろうと仰有ったって、隊長がなんとかお覚悟を決めぬうちは、われわれ両人、どうにもならんこっちゃごわせんか。生死もともども、とろろもともども分けてすすろうと誓って来たんですからね。寝てばっかりいらっしゃるのは足の傷がおわるくなったんじゃごわせんか」
「どうだか知らん。ここも動かん……」
「動かんと仰有ったって、三年も五年もここに寝ていられるわけのもんじゃごわせんからね。逃げ出せるものならそのように、駄目ならまたそのように、はきはきとした覚悟を決めたいんですよ。一体どうなさるおつもりなんです」
「お生憎さまだが、つもりは今のところ、どんなつもりもない。おまえら、つもりたいようにつもったらよかろう」


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