GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 佐々木味津三 『老中の眼鏡』
現代語化
「はぁ、いますけど――」
「何人?」
「一人だけっす」
「少ねぇな。酒は飲んでるか?」
「飲んでません。寒そうにしょげて、うどんしか食べてない感じです」
「ここもだんだん寂れてきたな。一か月前くらいまでは、毎晩のように七八人もいたのに。なぁ、山村。そうだったろ?」
「はい。前まではよく飲んで歌とか歌ってましたけど、ここんとこめっきり寂れました。ゆうべも一人客でした」
「そうか――。胸が苦しくなってきた。もう決めた方がいいな。先に行け」
原文 (会話文抽出)
「どうじゃ。いるか」
「はっ。おりまするが――」
「何人じゃ」
「たったひとりで厶ります」
「僅かに喃。酒はどうか。用いておるか」
「おりませぬ。寒げにしょんぼりとして、うどんだけ食している容子に厶ります」
「やはりここも次第に寂れが見ゆるな。ひと月前あたりは、毎晩のように七八人もの客が混み合っていたようじゃ。のう。山村。そうであったな」
「はっ。御意に厶ります。年前は大分酒もはずんで歌なぞも唄うておりましたが、明けてからこちら、めっきり寂れがひどうなったように厶ります。ゆうべもやはりひとりきりで厶りました」
「そう喃。――胸が詰って参った。もう迷わずにやはり決断せねばなるまいぞ、先へ行け」