小林多喜二 『蟹工船』 「俺はお経は知らない。お経をあげて山田君の…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 小林多喜二 『蟹工船』

現代語化

「俺はお経なんて知らない。お経あげて山田君の霊を慰めてやることはできないよ。でもよく考えてみたら、山田君ってさ、どんなに死にたくなかったんだろうなって思うんだよね。――いや、本当は、どんなに殺されたくなかったかっていうのが本音だよね。山田君は確かに殺されたんだよ」
「じゃ、誰が殺したかって?――言わなくてもわかるでしょ!俺はお経でお祓いなんてできないけど、山田君を殺した奴に復讐することによって、ことによって、山田君の無念を晴らしてあげることができるんだ。――このことを、今、山田君の霊に俺たちは誓わなきゃならないと思うよ……」
「そうだ」
「クソジジイ」

原文 (会話文抽出)

「俺はお経は知らない。お経をあげて山田君の霊を慰めてやることは出来ない。然し僕はよく考えて、こう思うんです。山田君はどんなに死にたくなかったべか、とな。――イヤ、本当のことを云えば、どんなに殺されたくなかったか、と。確に山田君は殺されたのです」
「では、誰が殺したか? ――云わなくたって分っているべよ! 僕はお経でもって、山田君の霊を慰めてやることは出来ない。然し僕等は、山田君を殺したものの仇をとることによって、とることによって、山田君を慰めてやることが出来るのだ。――この事を、今こそ、山田君の霊に僕等は誓わなければならないと思う……」
「そうだ」
「糞壺」


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