小林多喜二 『蟹工船』 「弁士さん、そったら処さ立ってれば、足から…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 小林多喜二 『蟹工船』

現代語化

「先生、そーやって立ってると、足からノミがピョンピョンはね上ってくよ!」
「ヒィ――ッ!」
「でも、すごいとこにいるんだな!」
「知らないだろうけど、この会社がここに来るために、いくら儲けてると思う?すごいぜ。半年で500万円だよ。一年で1000万円だ。――口で1000万円って言っても、ピンとこないけど、大したことなんだ。それに株主に2割2分5厘も配当する会社なんて、日本でもそうそうないよ。社長が今度代議士になるって言うし、悪いとこはないさ。――やっぱり、こうやってひどくしないと、そんなに儲けられないんだろうな」
「1万ケースお祝い」
「さあ、親父のとこ来い」
「抱いてやってやるからさ」
「危ない、危ない!こっちへ来んなよ」
「皆さん」
「私は」
「日本男児」
「国のお金」
「するめ」
「やめて、やめて!」
「お前らなんか、黙ってろ!先生がいるんだから、ちゃんとお話聞いてろ」
「六角レンチの方が似合うぞ!」

原文 (会話文抽出)

「弁士さん、そったら処さ立ってれば、足から蚤がハネ上って行きますよ!」
「ひやア――ッ!」
「然しひどい所にいるんだな!」
「知らないだろうけれども、この会社が此処へこうやって、やって来るために、幾何儲けていると思う? 大したもんだ。六カ月に五百万円だよ。一年千万円だ。――口で千万円って云えば、それっ切りだけれども、大したもんだ。それに株主へ二割二分五厘なんて滅法界もない配当をする会社なんて、日本にだってそうないんだ。今度社長が代議士になるッて云うし、申分がないさ。――やはり、こんな風にしてもひどくしなけア、あれだけ儲けられないんだろうな」
「一万箱祝」
「さ、親父のどこさ来い」
「安坐さ抱いて見せてやるからな」
「危い、危い! 俺のどこさ来いてば」
「諸君は」
「私は」
「日本男児」
「国富」
「するめ」
「やめろ、やめろ!」
「お前えなんか、ひっこめ! 弁士がいるんだ、ちアんと」
「六角棒の方が似合うぞ!」


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