岡本綺堂 『三浦老人昔話』 「わあ、人殺しだ。」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『三浦老人昔話』

現代語化

「マジやばっ、人殺しちゃったんだって。」
「急いで吉原に行かなきゃ。」
「とんでもない事件になっちまったなあ。」
「大次郎って奴、秒で吉原に飛んでいって、諸越花魁に会って、儀式通りに雷見舞を伝えたんだって。それで帰っただけならいいのに、屋敷に戻ってから切腹しちまったんだ。大物が相手だったから、もしかしたら殺し損ないだったかもしれないけど、ともかくあんな大騒動を起こしちゃったから、周りも無視できなかったんだろう。それとも、任務中にこんなことしちまったのは申し訳ないと、本人から切腹したのかな。それとも、形式上雷見舞の秘密を隠すために、本人に責任を取らせたのかな。理由はよくわかんないけど、侍が吉原に雷見舞に行かされて、結局腹を切ったってのはマジみたい。料理屋の方も2人即死、他の怪我人は助かったらしいよ。」
「まじとんでもない事件だったな。」
「その大名、その後も吉原に行ってたの?」
「いや、懲りたのか、一切足を踏み入れなかったらしい。諸越花魁も大物客を逃しちまったってわけだ。」
「さっきの雷で梅雨も明けたっぽいっすね。」

原文 (会話文抽出)

「わあ、人殺しだ。」
「いそいで吉原へやれ。」
「実に飛んだことになったものですよ。」
「大次郎という人はその足で吉原へ飛んで行って、諸越花魁に逢って、式のごとくに雷見舞の口上をのべて帰りました。帰っただけならばいゝのですが、屋敷へ帰ってから切腹したそうです。相手が相手ですから、あるいは殺し得で済んだかも知れなかったのですが、兎も角それだけの騒ぎを仕出来したので、世間の手前、屋敷でも捨てゝ置かれなかったのか。それともお使に出た途中で、こんなことを仕出来しては申訳がないというので、当人が自分から切腹したのか。それとも表向きになっては雷見舞の秘密が露顕するというので、当人に因果をふくめて自滅させたのか。そこらの事情はよく判りませんが、いずれにしても一人の侍がよし原へ雷見舞にやられて、結局痛い腹を切るようになったのは事実です。料理屋の方でも二人は即死、ほかの怪我人は助かったそうです。」
「まったく飛んだことになったものでした。」
「その後もその大名はよし原へ通っていたのですか。」
「いや、それに懲りたとみえて、その後は一切足踏み無しで、諸越花魁も大事のお客をとり逃してしまったわけです。」
「さっきの雷で梅雨もあけたと見えますね。」


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