GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『三浦老人昔話』
現代語化
「最近は引っ越しちゃって、出不精になっちゃって…。元気なのは元気だけど、そこの旦那に比べたら一回り上だから、いくら強がってても体が言うこと聞かねえの。それで自然と疎遠になっちゃって、今日もお呼びしちゃったんだけど恥ずかしいよね。意気地ないな」
「それでも三浦さんは元気そうじゃない。特に口が昔より達者になったみたい」
「おじいさんの昔話を聞くの好きなんでしょ?時間あるとき三浦さんに会ってみなよ。面白い話知ってるよ。俺の話はいつも捕り物とかばっかりだけど、あの人はいろいろ知ってるから面白い話が聞けるよ」
「いや、そんな面白い話はねえよ。古い話でよければ、古いところから話そうか。辺鄙な場所だけど、暇なとき遊びに来てよ」
原文 (会話文抽出)
「むかしは随分おたがいに仲好くしていたんですがね。」
「このごろは大久保の方へ引込んでしまったもんですから、どうも、出不精になって……。いくら達者だと云っても、なにしろこゝの主人にくらべると、丁度一とまわりも上なんですもの、口ばかり強そうなことを云っても、からだやあんよが云うことを肯きませんや。それだもんですから自然御無沙汰勝になってしまって、今日もこゝまで出て来るには眼あきの朝顔という形なんですからね。いやもう意気地はありません。」
「それでも三浦さんはまったく元気がいゝ。殊に口の方はむかしよりも達者になったらしい。」
「あなたは年寄りのむかし話を聴くのがお好きだが、おひまがあったら今度この三浦さんをたずねて御覧なさい。この人はなか/\面白い話を知っています。わたくしのお話はいつでも十手や捕縄の世界にきまっていますけれども、こちらの方は領分がひろいから、色々の変った世界のお話を聴かせてくれますよ。」
「いや、面白いお話なんていうのはありませんけれど、時代おくれの昔話で宜しければ、せい/″\お古いところをお聴きに入れます。まことに辺鄙な場末ですけれども、お閑のときには何うぞお遊びにおいでください。」