岡本綺堂 『中国怪奇小説集』 「わたくしは泥坊でございます。お宅へ忍び込…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『中国怪奇小説集』

現代語化

「俺泥棒なんですけど、あんたのとこに忍び込もうとしたら、低いやつがいっぱい並んでたりして。何回も何回も飛び越えても終わらねえから、諦めて帰ろうとしたんだけど、帰り道もいっぱい並んでて、何回飛び越えても着かない。もう疲れて捕まっちまいました。好きにしてください」
「昨日その泥棒が来るって占いで分かってたから、ちょっとワザ使ったんだよ」
「どんなワザですか?」
「風水術だよ。他人が迂闊にやると、逆にケガするよ。お前は真面目なやつみたいだから、もしやりたかったら教えてやろうか」
「教わるやつには教えるな、教えるべきやつは教わることを望まねえ。この術もいずれ消えるだろうな」

原文 (会話文抽出)

「わたくしは泥坊でございます。お宅へ忍び込みますと、低い垣が幾重にも作られて居ります。それを幾たび越えても、越えても、果てしがないので、閉口して引っ返そうとしますと、帰る路にもたくさんの垣があって、幾たび越えても行き尽くせません。結局、疲れ果てて捕われることになりました。どうぞ御存分に願います」
「きのうあの泥坊が来ることを占い知ったので、たわむれに小術を用いたのです」
「その術はなんですか」
「奇門の法です。他人が迂闊におぼえると、かえって禍いを招きます。あなたは謹直な人物である。もしお望みならば御伝授しましょうか」
「学ぶを願う者には伝うべからず、伝うべき者は学ぶを願わず。この術も終に絶えるであろう」


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