岡本綺堂 『中国怪奇小説集』 「象と一緒に来たのはどういうわけだ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『中国怪奇小説集』

現代語化

「なんで象と一緒に来てんの?」
「象がやばい目に遭ってるんだ。俺が人間と話せると聞いて、俺を乗せて助けを求めに来たんだよ」
「で、そのやばい目ってなんだよ」
「この山の南200キロくらいのとこに、空まで届きそうなくらいでかい岩穴があるんだ」
「そこの中に、何百メートルもあるでっかい蛇が住んでるんだ。目が雷みたいで、牙が剣みたいで、そこを通る象はみんな食われちまう。もう逃げ場がねえんだ。お前は弓矢が上手いって聞いたから、毒矢で蛇を殺してくれよ。そうしてくれたら絶対に恩返しするから」
「わかったよ。じゃ、矢を持って乗ってくれ」
「あそこに蛇の目が見えるぞ」

原文 (会話文抽出)

「象と一緒に来たのはどういうわけだ」
「象に危難が逼って居ります。わたくしに人間の話が出来るというので、わたくしを乗せてお願いに出たのでございます」
「その危難のわけを言え」
「この山の南二百余里のところに、天にそびゆる大きい巌穴がございます」
「そのなかに長さ数百尺の巴蛇が棲んで居ります。その眼はいなずまのごとく、その牙はつるぎの如くで、そこを通る象の一類はみな呑まれたり噬まれたりします。その難に遭うもの幾百、もはや逃げ隠れるすべもありません。あなたが弓矢を善くするのを存じて居りますので、どうぞ毒矢をもってかれを射殺して、われわれの患いを除いて下されば、かならず御恩報じをいたします」
「御承知ならば、矢をたずさえてお乗り下さい」
「あれが蛇の眼です」


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