岡本綺堂 『半七捕物帳』 「親分。どうですね」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』

現代語化

「親分。どう思います?」
「あの住職って奴、妙に素直ぶってるけど、やっぱり怪しいよ」
「源右衛門って寺男は駆け落ちしたって言うけど、もう死んじゃったんじゃないの?」
「坊主どもが殺ったのか?」
「直接手は下してないだろうけど、生きてないみたいだ。で、亀。俺は今からまっすぐ帰るから、お前は門前町をうろついて、あの寺の奴らについて何か噂を聞いてこないか探ってくれ。それから、小坊主の智心って奴。あいつのことを調べてくれ」
「小坊主…。最初から最後まで黙って立ってた奴だろ?」
「そう。あいつの目が気に入らないんだ。黙ってボーっとしてるように見せかけて、あいつの目はよく働いてた。まだ16、7らしいけど、只者じゃない。あいつの身元とか過去を調べてくれ」

原文 (会話文抽出)

「親分。どうですね」
「あの住職め、いやに殊勝らしく構えているので、なんだか番狂わせのような気もしたが、あいつはやっぱり狸坊主だな」
「源右衛門という寺男は駈け落ちをしたと云うが、可哀そうに、もう此の世にはいねえだろう」
「坊主共が殺ったのかね」
「手をおろした訳でもあるめえが、どうも生きちゃあいねえらしい。そこで、亀。おれはこれから真っ直ぐに帰るから、おめえは門前町をうろ付いて、あの寺の奴らについて何か聞き込みはねえかどうだか探ってくれ。それから、小坊主、智心とか云ったな。あいつの事を調べてくれ」
「小坊主……。初めから仕舞いまで黙って突っ立っていた奴でしょう」
「そうだ。どうもあいつの眼つきが気に入らねえ。黙ってぼんやり突っ立っているように見せかけて、あいつの眼はなかなか働いていた。あいつ、まだ十六、七らしいが、唯者じゃあねえ。そのつもりで、あいつの身許や行状を洗ってくれ」


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