GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 岡本綺堂 『半七捕物帳』
現代語化
「あら、親分……」
「でも、去年から遊びに来る2人組の武士の1人とお前がべったりだとかで、評判になってるようだぜ」
「まあ」
「何がまあだ。それで聞きたいのは他でもない。あの武士たちってどこのお屋敷の者なんだ?西国の人間らしいな」
「そんな噂ですよ」
「それからお前悪いけど、そのうちお上に呼び出されるかもしれないから、覚悟しておいてくれよ」
「親分、何のご用ですか?」
「あの2人の武士についてなんだけど、お上で聞くまで待たずに、ここで全部話してくれるか?」
「はい、あの2人の仕事は何なんです?いくら会社員だって、大晦日も正月も毎日毎日銭湯の2階にばかりいるわけじゃないでしょ。他に何か仕事があるはずだよね。なに、知らないわけないだろ。お前絶対知ってるはずだ。正直に話してくれよ。一体あそこに預けてある箱の中身は何なんだ?」
原文 (会話文抽出)
「ところが、この頃はちっと浮気を始めたという噂だぜ。ほんとうかい」
「あら、親分……」
「でも、去年から遊びにくる二人連れの武士の一人と、おめえが大変心安くすると云って、だいぶ評判が高けえようだぜ」
「まあ」
「何がまあだ。そこでお前に訊きてえのは他じゃねえ。あのお武士衆は一体どこのお屋敷だえ。西国の衆らしいね」
「そんな話でございますよ」
「それからおめえ気の毒だが、そのうちに番屋へちょいと来てもらうかも知れねえから、そのつもりでいてくんねえよ」
「親分。なんの御用でございます」
「あの二人の武士に就いてのことだが、それとも番屋まで足を運ばねえで、ここで何もかも云ってくれるかえ」
「え、あの二人の商売はなんだえ。いくら勤番者だって、暮も正月も毎日毎日湯屋の二階にばかり転がっている訳のものじゃあねえ。何かほかに商売があるんだろう。なに、知らねえことはねえ。おめえはきっと知っている筈だ。正直に云ってくんねえか。一体あの戸棚にあずかってある箱はなんだえ」