海野十三 『恐怖の口笛』 「ほほう、――」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『恐怖の口笛』

現代語化

「ほほう、―」
「これで見ると、吸血鬼はパチノの曾孫である赤星ジュリアだっていうんだね。おお、そうするとあの竜宮劇場のプリマドンナ、赤星ジュリアがあの恐ろしい犯人だったのか」
「昨日、玉川で一緒にゴルフをしたジュリアがそうだったのか。……」
「キャバレーのマスター、オトー・ポントスはあの夜のキャバレーの惨劇で、ジュリアの殺したのを見たのが、運のつきだったんです。ジュリアは夜中にポントスの部屋を襲って、ナイフで1撃加えてから、レコードで『赤い苺の実』をかけたんです。ポントスはジュリアの歌を聴かされながら、首から血を吸われたんです。それから秘密の壁に放り込まれたんですが、あの巨体のポントスにはまだ血液が残ってたみたいで、ちょっとは生きてたんだって」
「じゃあこれから、逮捕に向かいますけど……」
「いいよ。―でも、いま何時だ?」
「もう3分で9時です」
「そっか。じゃあとりあえず3分待ってくれや、俺が待ってる電話があるんだ」

原文 (会話文抽出)

「ほほう、――」
「これでみると、吸血鬼はパチノの曾孫である赤星ジュリアだというのだネ。おお、するとあの竜宮劇場のプリ・マドンナ、赤星ジュリアがあの恐るべき兇行の主だったのか」
「昨日、玉川で一緒にゴルフをしたジュリアがそうだったか。……」
「キャバレーの主人オトー・ポントスはいつかの夜のキャバレーの惨劇で、ジュリアの殺人を見たのが、運のつきだったんですネ。ジュリアは夜陰に乗じてポントスの寝室を襲い、まずナイフで一撃を加え、それからあのレコードで『赤い苺の実』を鳴らしたんです。ポントスはジュリアの独唱を聞かせられながら、頸部から彼女に血を吸われたんです。それから秘密の壁に抛り込まれたんですが、あの巨人の体にはまだ血液が相当に残っていたため、暫くは生きていた――というのですネ」
「ではこれから、逮捕に向いたいと思いますが……」
「よろしい。――が、いま時刻は……」
「もう三分で午後九時です」
「そうか。ではもう三分間待っていてくれ給え、儂が待っている電話があるのだから」


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