海野十三 『恐怖の口笛』 「――検事さん! 雁金さんは何処へ行かれた…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『恐怖の口笛』

現代語化

「―検事さん!雁金さんはどこ行ったんですか?」
「おう、どうしたんだい、大江山君」
「ああ、そっかいらっしゃったんすか。喜んでください。とうとうポントス見つけましたよ。それで―大団円です」
「ポントスを生け捕りにしたのかい?」
「いや言った通りポントスは死んでました。やっぱりキャバレー・エトワールの中にいました。ちょっと見つけにくい二重壁の中に閉じ込められてたんです」
「ほほう、それはやったね」
「ポントスはすごいお宝遺してくれたんすよ。壁一面に、画鋲で留めた遺書なんです。あいつは吸血鬼に襲われたみたいなんですけど、壁に入れられた後もちょっとは生きてたみたいっす」
「おや、じゃああいつは吸血鬼じゃなかったんだね」
「吸血鬼は外にいるんす。―これです。壁に書いてあった遺書の写しです。吸血鬼の名前もちゃんと書いてあります」

原文 (会話文抽出)

「――検事さん! 雁金さんは何処へ行かれた?」
「おう、どうしたかネ、大江山君」
「ああ、そこにおいででしたか。喜んで下さい。とうとうポントスを探しあてましたよ。そして――大団円です」
「ポントスを生捕りにしたのかネ」
「いえ仰しゃったとおりポントスは死んでいました。やはりキャバレー・エトワールの中でした。ちょっと気がつかない二重壁の中に閉じ籠められていたのです」
「ほほう、それは出かしたネ」
「ポントスは素晴らしい遺品をわれわれに残してくれました。それは壁の上一面に、折れ釘でひっかいた遺書なんです。彼は吸血鬼に襲われたが、壁の中に入れられてから、暫くは生きていたらしいですネ」
「おや、すると彼は吸血鬼じゃなかったのだネ」
「吸血鬼は外にあります。――さあ、これが壁に書いた遺書の写しです。吸血鬼の名前もちゃんと出ています」


青空文庫現代語化 Home リスト