海野十三 『恐怖の口笛』 「まあ、西さん。――よく来て下すったのネ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『恐怖の口笛』

現代語化

「おー、西さん。来てくれたんだー」
「誰も来ないから、寂しかったんです」
「俺、青竜王から来てくれって言われたんすよ。しばらく外に出たらダメらしい。院長からOKが出るまで、ベッドから一歩も降りちゃいけないっす」
「はい、あなたが言うなら、なんでも守ります。……ねぇ西さん」
「なんだよ、千鳥さん」
「私、あなたにすっごく感謝してるんです。分かってくれて……」
「感謝?俺何もしてないよ。ああ、助けられたこと?あれなら青竜王に感謝してよ。……いや、そんなこと今考えたら体に悪いよ。しばらくは何にも忘れちゃいなよ。誰に聞かれても、何にもしゃべっちゃダメ。千鳥さんはしばらく、生ける屍になってなきゃいけねえんだよ、分かった?」
「生ける屍―あなたが言うなら、屍になってますよ」

原文 (会話文抽出)

「まあ、西さん。――よく来て下すったのネ」
「誰も来て下さらないので、悲しんでいたところですわ」
「僕は、ソノ青竜王から行って来るように頼まれたんです。当分外に誰も来ないでしょう。院長から許しが出るまで、一歩も寝台の上から降りないことですネ」
「ええ、貴方が仰有ることなら、あたくし何でも守りますわ。……ねえ、西さん」
「なんです、千鳥さん」
「あたくし、貴下に、どんなにか感謝していますのよ。お分りになって……」
「感謝?――僕は何にもしませんよ。ああ、助けられたことですか。あれなら青竜王に感謝して下さい。……イヤ、そんなことを今考えるのは身体に障りますよ。何ごとも暫くは忘れていることです。誰かが聞いても、何にも喋ってはいけません。千鳥さんは当分、生ける屍になっていなくちゃいけないんですよ、いいですか」
「生ける屍――貴下の仰有ることなら、屍になっていますわ」


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