海野十三 『恐怖の口笛』 「どうも素人は功を急いでいかんネ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『恐怖の口笛』

現代語化

「素人はどうしても焦りがちだよな」
「やっぱりこうして首から胸部を切って食道から気管まで取り出して、端から慎重に調べてかないといけないんだ。慌てると間違いが起きちゃうよ。急がば回れって言うからね」
「時間の方は覚悟してます。今日は徹夜でも付き合います」
「うん。時刻はこれから午前2時くらいまでが一番いい時だ。君の時間の選び方は良かったよ。でもいくら弟の死体だとしても、君には頭が下がるよ。もしここから上にあるものなら、必ず君の欲しいものを見つけてあげるから安心しな。ただ皮下脂肪が発達してるから、メスを使うのが大変だ。こんなんなら電気メスを持ってくるんだった…」
「あれ?」
「何だ、今頃?」
「誰かが来たのかな。こんな夜中に変だなあ」
「ちょっと見てこよう」

原文 (会話文抽出)

「どうも素人は功を急いでいかんネ」
「やはりこうして咽喉から胸部を切開して食道から気管までを取出し、端の方から充分注意して調べてゆかなけりゃ間違いが起る虞れがあるのだ。急がば廻れの諺どおりだて」
「時間のことは覚悟をしてきました。今夜は徹夜しても拝見します」
「うん。時刻はこれから午前二時ごろまでが一番油の乗るときだ。君の時刻の選択はよかったよ。しかしいくら弟の屍体かは知らぬが、君は熱心だねえ。もしここから上にあるものならば、必ず君の目的のものを発見してあげるから安心するがいい。イヤどうも皮下脂肪が発達しているので、メスを使うのに骨が折れる。こんなことなら電気メスを持ってくるんだった……」
「ややッ――」
「何でしょう、いまごろ?」
「ハテナ誰か来たのかな。この夜更に変だなア」
「ちょっと見て来よう」


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