海野十三 『疑問の金塊』 「ほほう、なるほど」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『疑問の金塊』

現代語化

「ほほう、なるほど」
「これはどういうことですか?」
「いいですか、上を向いちゃダメです。犯人に気づかれます。下を向いててください。犯人は倉庫の2階から仙太を撃ったんです」
「それはおかしい。仙太は後ろから撃たれてる」
「いいえ、傷はあので合ってます。仙太のポケットに入ってた金貨に泥がついてたでしょ。仙太のやつは、あの金貨を全部、この地面から拾ったんです。だから泥がついてるんです。金貨は、同じ倉庫の2階から犯人が投げたんです。仙太がそれを拾おうと思って、地面にしゃがむようにかがんだんです。そこを犯人は狙ってたんです。ちょうど俺たちが今こうしてるこの恰好のところを、上からトントンと撃ったんです」
「なに、この恰好を……」
「そんなに騒がないでください、犯人に気づかれます」
「さっさと、この建物の出入り口を囲んでください!」
「よし。俺は飛び込む」
「でも、この死体をどうする?」

原文 (会話文抽出)

「ほほう、なるほど」
「これは何故だ」
「いいですか、上を向いちゃ、犯人が気付きますよ。下を向いていて下さい。犯人は倉庫の二階の窓から仙太を撃ったのです」
「そりゃ変だ。仙太は背後から撃たれている」
「いいえ、傷はあれでいいのです。仙太のポケットに入っていた金貨は泥がついていたでしょう。仙太の野郎は、あの金貨を皆、この路面から拾ったのです。だから泥がついているんです。金貨は、同じ倉庫の二階から犯人が投げたのです。仙太がそれを拾おうと思って、地面に匍わんばかりに踞んだのです。いいですか。そこを犯人は待っていたのです。丁度われわれが今こうしている此の恰好のところを、上からトントンと撃ったのですよ」
「ナニ、この恰好のところを……」
「そんなに騒いじゃ、犯人に気付かれますよ」
「さア早く、この建物の出口を固めるのです」
「よオし。おれは飛びこむ」
「だが、この屍体をどうする?」


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