海野十三 『疑問の金塊』 「ナ、なんだッ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『疑問の金塊』

現代語化

「な、なんだ!」
「どうですか。ここで手柄を立ててみませんか?」
「なんだと?生意気な口をきくな」
「いい手柄が嫌なら仕方ないが……」
「なんだか知らないけど、聞いてみようじゃないか」
「聞いていただけると?ははは。……ま、それはいいとして、旦那。私は犯人の居場所を知ってますよ」
「なに、犯人の居場所?犯人は誰だ?」
「犯人は誰だか知らないけど、居場所は知ってますよ。ほら、ここに真っ暗で崩れそうな倉庫があるでしょ。犯人はここに入ってます」
「なんでだ。なんでこの中に逃げ込んだんだ?」
「話していると、犯人が逃げ出しますよ」
「でも俺たちは、意味もなく動けないよ」
「じゃ簡単に説明しましょう。さっき仙太のポケットから出てきた5枚の金貨ですが、あの金貨に泥がついてたのを覚えてますか?」
「……」
「もう一つは、そこに錆びた5寸釘を立てて置きましたが、地面に垂直に、小さな穴が開いてますよ」

原文 (会話文抽出)

「ナ、なんだッ」
「どうですい。一つここらで手柄を立ててみる気はありませんか」
「なんだとオ。……生意気な口を利くない」
「素敵な手柄が厭ならしようが無いが……」
「なんだか知らないが、聞こうじゃないか」
「聞いてやろうと仰有るのですかい、はッはッはッ。……まア、それはいいとして、旦那方。私は犯人の居処を知っていますよ」
「ナニ、犯人の居処? 犯人は誰だッ」
「犯人は誰だか知らない。だが犯人の居処だけは知っているのですよ……ホラ、ここに真暗な崩れ懸ったような倉庫がありますネ。犯人はこの中に居るのですよ」
「何故だ。どうして此の中へ逃げこんだというのだ」
「喋っていると、犯人が逃げだしますよ」
「しかしわれわれは、意味もないのに動けないよ」
「じゃ簡単に云いましょう。いま仙太のポケットから出た五枚の金貨ですがネ、あの金貨には泥がついていたのをご存知ですか」
「……」
「もう一つは、そこに錆びた五寸釘を立てて置きましたが、路面に垂直に、小さい孔が明いていますよ」


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