GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 芥川龍之介 『お律と子等と』
現代語化
「何がかかってきたの?」
「先生はさっき出かけられたって言ってましたが、――さっきですよね?良さん」
「さっきじゃないですって。もうそちらに向かわれる頃だって言ってましたよ」
「そうなのか。それなら美津ってやつ、そう言えばいいのに」
「あれ、この時計は20分過ぎだ」
「何、こりゃ10分ほど進んでいますよ。まだ4時10分過ぎくらいでしょう」
「てへん+丑」
「そうです。ちょうど10過ぎ」
「じゃやっぱり奥の時計が遅れてるんだ。それにしちゃ谷村先生は遅すぎるな。――」
原文 (会話文抽出)
「じゃ今向うからかかって来ましたぜ。お美津さんが奥へそう云いに行った筈です。」
「何てかかって来たの?」
「先生はただ今御出かけになったって云ってたようですが、――ただ今だね? 良さん。」
「ただ今じゃありませんよ。もうそちらへいらっしゃる時分だって云っていましたよ。」
「そうか。そんなら美津のやつ、そう云えば好いのに。」
「おや、この時計は二十分過ぎだ。」
「何、こりゃ十分ばかり進んでいますよ。まだ四時十分過ぎくらいなもんでしょう。」
「てへん+丑」
「そうです。ちょうど十分過ぎ。」
「じゃやっぱり奥の時計が遅れているんだ。それにしちゃ谷村さんは遅すぎるな。――」