GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『蠅』
現代語化
「なんだその箱は?」
「爆弾が仕掛けてあるんじゃないか?」
「いや、短波の機械で、俺たちが話してることが、そこを通って、そのまま敵の本陣に聞こえてるんじゃないか?」
「それとも、殺人音波が出る仕掛けがあるんじゃないか?」
「あはは」
「あはは。あれは弁当屋の出前持ちの箱なんだ。多分昼に食った俺の皿が入ってるんだろ」
「なんだって、弁当の箱か?」
「なんで、こんなところにあるんだ?」
「いや、さっき弁当屋の子供が来たはずだけど、持って帰るのを忘れたんじゃないかな?」
「忘れていくって笑える、中を調べてみろ」
「早くやれ、早くやれ!」
「よし」
「じゃ開けるぞ」
原文 (会話文抽出)
「こッこれだッ。怪しいのは……」
「なんだ其の箱は」
「爆弾が仕掛けてあるのじゃないかナ」
「イヤ短波の機械で、われ等の喋っていることが、そいつをとおして、真直に敵の本営へ聞えているのじゃないか」
「それとも、殺人音波が出てくる仕掛けがあるのじゃないか」
「あッはッはッ」
「あッはッはッ。それア弁当屋の出前持の函なんだ。多分お昼に食った俺の皿が入っているだろう」
「なんだって、弁当の空か?」
「どうして、それがこんなところにあるのか」
「イヤ、さっき弁当屋の小僧が来た筈なんだが、持ってゆくのを忘れたのじゃあるまいかのウ」
「忘れてゆくとは可笑しい、中を検べてみろ」
「早くやれ、早くやれッ」
「よォし」
「じゃ明けるぞオ」