GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『蠅』
現代語化
「ん。――」
「あのう、恒温室の温度保持についてなんですけど、今摂氏55度になってるんですが、先生がおスイッチを入れたんですか?」
「55度か。……それでいいよ。あのタンガニカ地方の砂地の温度が、ちょうどそれくらいなんだ。持ってきた動物標本は、その温度に保っておかないといい状態では保存されない」
「そうなんですか。でも恒温室からピシピシって音がしてるんですけど、55度ってあの恒温室にとっては、ちょっと無理なんじゃないでしょうか……」
「あー、それは大丈夫だ。あそこは70度まで上がっても大丈夫に設計してある」
「はあ、そうですか。じゃ……」
原文 (会話文抽出)
「あのウ、先生」
「む。――」
「あのウ、恒温室の温度保持のことでございますが、唯今摂氏五十五度になって居りますが、先生がスイッチをお入れになったのでございましょうか」
「五十五度だネ。……それでよろしい、あのタンガニカ地方の砂地の温度が、ちょうどそのくらいなのだ。持って来た動物資料は、その温度に保って置かねば保存に適当でない」
「さよですか。しかし恒温室内からピシピシという音が聞えて参りますので、五十五度はあの恒温室の温度としては、すこし無理過ぎはしまいかと思いますが……」
「なーに、そりゃ大丈夫だ。あれは七十度まで騰げていい設計になっているのだからネ」
「はア、さよですか。では……」