海野十三 『ゴールデン・バット事件』 「もう、その辺でいいですよ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『ゴールデン・バット事件』

現代語化

「もう、その辺でいいですよ」
「もういいですか?」
「そこでちょっとお尋ねしますが」
「パントポンの現在の在庫が、ちょっと合いませんね」
「そんなことはないでしょう。よく調べてください」
「いや確かに合いませんよ。警察に報告されてる野間薬局での販売数量と合わないんです」
「それはおかしいですね。少ないことはないはずですけど」
「そうです。少ないわけじゃないんです。少ないのはまだいいんですけど、現在の在庫がすごく多い……」
「多いのは、いいじゃないですか」
「困るんですよ」
「何か他のモルヒネ剤で間に合わせたために、パントポンの数量が残ってるんじゃないですか?例えばヘロインとか……」
「ヘロインですって?ヘロインみたいな粗悪なやつは私のところでは使ってませんよ」
「じゃこのままにしておきましょう。もう外にはないでしょう?」
「ありませんよ」
「では一つ、投薬簿の方を見せてくれませんか?」
「投薬簿ですか。そうです、あれは向こうの部屋にあるから取ってきましょう」

原文 (会話文抽出)

「もう、その辺でいいですよ」
「もういいですか」
「そこで鳥渡お尋ねいたしますが」
「パントポンの現在高が、すこし合いませんネ」
「そんなことは無いでしょう。よく調べて下さい」
「いや確かに合いませんよ。警察の方に報告されている野間薬局売りの数量と合わんですよ」
「そりゃ変ですネ。少いということは無い筈なんですがネ」
「そうです。少くはないのです。少いのはまだ始末がいいと思うんですが、現在高が非常に多すぎる……」
「多すぎるのは、いいじゃないですか」
「困るんですよ」
「なにか他のモルヒネ剤で間に合わしたために、パントポンの数量が残っているのじゃありませんか。例えばヘロインとか……」
「ヘロインですって、ヘロインみたいな粗悪なやつは私のところでは使っていませんよ」
「ではこの儘にして置きましょう。もう外に無いでしょうネ」
「ありませんとも」
「では一つ、投薬簿の方を見せて下さいませんか」
「投薬簿ですか。そうです、あれは向うの室にあるから取ってきましょう」


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