GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『地獄街道』
現代語化
「ダメだった」
「あの人、黄疸だったみたいね」
「黄疸! 黄疸ってことは、なんでもかんでも黄色く見える病気だよね」
「そうよ」
「それでわかった。俺のグラスの無色の酒を黄色のコンコドスと間違えて、自分の黄色のコンコドスを、もっと黄色い別の酒と間違えたんだ。だからコンコドスは最初から頼んだ通り辻永の前にあったんだ。あいつは話をうまく持ってって、俺にコンコドスを飲ませようとしてたんだな」
「コンコドスのことまだ言ってるの。――辻永さんってどこに行っちゃったんでしょう?大丈夫かしら」
「うん――」
「とにかく帰って一杯飲もうよ――」
原文 (会話文抽出)
「山野さん。あの人見付かって」
「駄目だった」
「あの人、黄疸だったようネ」
「黄疸! 黄疸というと、なんでも彼でも黄色に見える病気だネ」
「そうよ」
「それで判った。僕のグラスの無色の酒を黄色のコンコドスと見誤り、自分の黄色のコンコドスを、もっと黄色い別の酒と見誤ったのだ。だからコンコドスは最初から註文したとおり辻永の前にあったのだ。彼は話をうまく持っていって、僕にコンコドスを飲ませるつもりだったのに違いない」
「コンコドスの事をまだ云ってるの。――辻永さんはどこへ行ったのでしょう。大丈夫かしら」
「うん――」
「とにかく帰って一杯飲もうよ――」