海野十三 『赤外線男』 「帆村君を願います」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『赤外線男』

現代語化

「帆村さんお願いします」
「帆村ですけど、どなたですか?」
「あー、帆村さん。捜査課長の(大江)山警部です」
「(大江)山さんですか。また何かありましたか」
「ええ、あったどころじゃないですよ。今、総監閣下が殺されました」
「え、総監閣下が……? 本当ですか?」
「困ったことですが、本当です」
「一体どうしたんですか?どこでやられたんですか?」
「今日はお話したとおり、深山理学士の赤外線テレビ装置を、本庁の一室に設置したんです。それで警戒を厳重にして、この装置で赤外線男を捜そうと。深山さんと、白丘さんに来ていただいて設置しました。実験は午後3時から開始するつもりで、あなたにも来てくれるようにお願いしておいたんですけど、さっき総監閣下が急に見たがるとおっしゃったので、結局見せてしまったんです」
「それはまずかったですね」
「私たちも最初は止めたんですが、閣下は外出の約束があって、その日の3時には見られないんです。それで強引にご覧になりたいというお話ですし、一方、それなりの準備も整っていたので大丈夫だと思ったんです」

原文 (会話文抽出)

「帆村君を願います」
「帆村は私ですが、貴方は?」
「ああ、帆村君。私です。捜査課長の大江山警部ですよ」
「大江山さんですか。また何かありましたか」
「ええ、あったどころじゃないです。唯今総監閣下が殺害されました」
「ナニ総監閣下が……? 本当ですか」
「困ったことですが、本当です」
「一体どうしたのです。どこでやられたのです」
「今日は御案内したとおり、深山理学士の赤外線テレヴィジョン装置を、本庁の一室にとりつけたのです。それは警戒を充分にして、この装置で丹念に赤外線男を探しあてようというのです。深山さんに白丘さんと、お二人に来て貰って取付けました。実験は午後三時から開始するつもりで、貴方にもお出で願うよう申上げて置きましたが、先刻総監閣下が急に見たいと仰有るので到頭ご覧に入れちまったのです」
「そりゃ拙かったですネ」
「私ども始めはお止めしたのです。しかし閣下は他出される約束があって、その日の三時にはご覧になれないのです。それで強いてというお話ですし、一方例の用意もありまして大丈夫だと思ったのです」


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