海野十三 『赤外線男』 「これは君、暗いネ」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『赤外線男』

現代語化

「マジ暗っ」
「なんか頭押さえつけられてる気する」
「このネオン消さないと見えねえから」
「でもスイッチはここにあるから、言ってくれればすぐつけるよ」
「ちょっと待って、待って」
「どこにいるのかわかんねーじゃん。じゃ、とりあえずそっち立ってて。俺らはこの椅子に座ることにしよ」
「いい?」
「いいよ」
「クソ暗っ」
「ピントが合ってねえんだ。アンプの設定もまだうまくいってない。すぐ直るよ」
「人通ってるぞ」
「早く肉眼でグラウンド見せろよ」
「こっちのレンズから見てください…」
「おっと」
「マジで見えるわ。あれ、例の用務員がマジ通ってるじゃん」
「じゃあこの辺から順番にスクリーン見てってよ」
「順番に見ようぜ」
「赤外線ってなんか色合いが死人の世界みてえだな」

原文 (会話文抽出)

「これは君、暗いネ」
「何だか、頭の上から圧えられるようだ」
「このネオン灯も消します。そうしないと巧く見えないのです」
「しかしスウィッチは、ここにありますから、仰有って下されば、いつでも点けます」
「待ってくれ、待ってくれ」
「どこに誰がいるやら判らないじゃないか。よオし、諸君はとりあえずこっちに立っていて呉れ給え。僕たちは、この椅子に腰をかけていることにしよう」
「いいですか」
「いいよ」
「馬鹿に暗いネ」
「ピントが外れているのです。増幅器もまだうまいところへ調整がいっていません。直ぐ直ってきますよ」
「人間が通っているぞ」
「早く肉眼で運動場を見せ給え」
「これは、こっちのレンズからお覗き遊ばして……」
「呀ッ」
「いやなるほど、よく見えます。――なあーンだ、例の用務員が本当に通ってやがる」
「この辺のところですから、さあ誰方も変りあってスクリーンを覗いて下さい」
「さあ順番に見ようじゃないか」
「どうも赤外線写真というものは、色の具合が、死人の世界を覗いているようだな」


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