GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。
青空文庫図書カード: 海野十三 『爬虫館事件』
現代語化
「主任は病気でずっと休んでるんですよ。鴨田君はもともと研究ばっかしてたんですけど、気の毒にも主任の仕事も見てますよ」
「研究って言うと――」
「爬虫類のエキスパートです。医学士と理学士の資格を持ってますけど、理学の方はもうすぐ学位論文出すことになってるんで、間もなく博士でしょう」
「変わってますね」
「いや、すごい人ですよ。スマトラに3年もいて、ヘビと仲良しだったんです。お金持ちなんで、あの爬虫館作ったときも半分は自分の金を出しました。今は表に出てるのはニシキヘビ2匹ですけど、裏手に巨大な奴が6〜7匹飼われてるんです」
「ほほう」
「その秘密のヘビも調べましたか?」
「もちろんですよ。研究用だからお客さんには見せませんけど、調べることはみんなと同じように調べます。別に園長さんを丸呑みしてるような贅沢な奴はいませんでした」
「さあ、ここが爬虫館です」
原文 (会話文抽出)
「鴨田さんは、主任では無いのですか」
「主任は病気で永いこと休んでいるのです。鴨田君はもともと研究の方ばかりだったのが、気の毒にもそんなことで主任の仕事も見ていますよ」
「研究といいますと――」
「爬虫類の大家です。医学士と理学士との肩書をもっていますが、理学の方は近々学位論文を出すことになっているので、間もなく博士でしょう」
「変った人ですね」
「いや豪い人ですよ。スマトラに三年も居て蟒と交際いをしていたんです。資産もあるので、あの爬虫館を建てたとき半分は自分の金を出したんです。今も表に出ているニシキヘビは二頭ですが、あの裏手には大きな奴が六七頭も飼ってあるのです」
「ほほう」
「その非公開の蛇も検べたんですか」
「そりゃ勿論ですよ。研究用のものだからお客さんにこそ見せませんが、検べることは一般と同じに検べますよ。別に園長さんを呑んでいるような贅沢なのは居ませんでした」
「さあ、ここが爬虫館です」