海野十三 『ネオン横丁殺人事件』 「おみねさん」…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『ネオン横丁殺人事件』

現代語化

「おみねさん」
「この部屋に寝床が2つあるけど、1つはあなた用で、もう1つは誰の?」
「ハイ。それはあー……」
「はっきり言いなさい」
「ハ、それは、あのー、うちのナンバーワンの女給、ゆかりのなんです」
「なるほど。で、そのゆかりさんはいないけどどうしたんだい?」
「それがちょっと、あー、昨夜出てったっきり帰って来ないんです……」
「おい、おみねさん。ごまかしちゃだめだよ。寝てない寝床と、寝た寝床くらい、警察も分かるよ」
「言えません」
「じゃ違うこと聞くけど、大将は誰かに恨まれてませんでしたか?」
「はい。私から言うのもなんですが、ここから4軒目のカフェ・オソメの旦那、女坂染吉がひどいんです。このネオン横丁で、毎日うちの人と啀み合ってます。こないだも脅迫状送ってきて」
「脅迫状を――。それはどこにある?」
「主人が机の引き出しに入れたと思います……」
「あ、ありました、これです」
「どれどれ」

原文 (会話文抽出)

「おみねさん」
「この部屋には寝床が二つとってあるが、一つはお前さんの分で、もう一つは誰の分なんだい」
「ハイ。それはアノ……」
「はっきり言いなさい」
「ハ、それは、なんでございます、うちのナンバー・ワンの女給、ゆかりの寝床なんです」
「ウンそうか。で、そのゆかりさんは見えないようだが、どうしたんだい」
「それがちょっと、アノ、昨夜出たっきり帰ってまいりませんので……」
「なァ、おみねさん。胡麻化しちゃいけないよ。敷っぱなしの寝床か、人が寝ていた寝床か、ぐらいは、警視庁のおまわりさんにも見分けがつくんだよ」
「言えないね」
「じゃ別のことを訊くが、大将は誰かに恨みを買っていたようなことは無かったかね」
「それはございます。妾の口から申しますのも何でございますが、ここから四軒目のカフェ・オソメの旦那、女坂染吉がたいへんいけないんでございますよ。このネオン横丁で、毎日のように啀み合っているのは、うちの人と女坂の旦那なんです。いつだかも、脅迫状なんかよこしましてね」
「脅迫状を――。そいつは何処にある」
「主人が机のひきだしにしまったようですが……」
「あ、ありました、これです」
「どれどれ」


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