海野十三 『省線電車の射撃手』 「ここの隅ッ子に龍子が腰を下ろしていました…

GoogleのAI「Gemini」を使用して現代語化しました。


青空文庫図書カード: 海野十三 『省線電車の射撃手』

現代語化

「ここらへんの隅っこに龍子が座ってたんですけど。「向こうの窓が閉まってたのは確かだったんですけど、ビール会社の辺りきたら、そこの田舎じいさんが窓開けやがったんです。止めようとしたけどもう遅かったんですよ」
「お前、どこにいたんだよ」
「あっちの入口(彼は後ろのドアを指した)から龍子見てました」
「龍子は死んだのかよ」
「部長、まだ生きてますけど重体です。刺したナイフは心臓かすっただけで背中の方に抜けてます。カンフル打ってから2、3時間は持つかもしれません」
「意識戻んないか?」
「難しいと思いますけど、さっきから処置してます」
「輸血でもなんでもいいから、意識戻してやってくれ」
「多田、田舎じいさんってやつは、どこに?」
「あ、あそこにいますけど……」

原文 (会話文抽出)

「ここの隅ッ子に龍子が腰を下ろしていました。向い側の窓はたしかに閉っていたんですが、ビール会社の前あたりまで来たときに、そこにいた地方出身の爺さんが、窓をあけちまったんです。私が止めようとしたときにはもう遅うございました」
「君は一体どこに居たんだ」
「向うの入口(と彼は指を後部扉へさしのべた)から龍子を監視していたのです」
「龍子は死んだか」
「課長さん、重傷ですが、まだ生きています。創管は心臓を掠って背中へむけています。カンフルで二三時間はもっているかも知れません」
「意識は恢復しないかネ」
「むずかしいと思いますが、兎に角さっきから手当をしています」
「輸血でもなんでもやって、この女にもう一度意識を与えてやってくれ」
「多田君、田舎者の爺さんというのは、どこに居るか」
「はァ、そこに居ますが……」


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